2021.12.17 fri ~ 2022.3.25 fri
東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター「カラボギャラリー」では2021年12月17日(金)より2022年3月25日(金)まで第8回企画展『陰翳(いんえい)の中の色彩美-日本の伝統-』を開催いたします。
本企画展では、文化庁「令和3年度 大学における文化芸術推進事業」に採択された「アート&テクノロジーマネジメントにおける高度な理論及び実践力を持った工芸融合人材の育成」事業の一環として開催するものです。
本学カラボギャラリーでは、これまでに7回の企画展を開催しており、第8回となる今回のテーマは「陰翳(いんえい)の中の色彩美-日本の伝統-」です。
本企画展は、実寸大の能舞台(一部)や西陣で織られた唐織の能装束、茶室の床の間等を展示し、太陽光の照度を吸収する壁に囲まれた薄暗い室内において発展してきた日本古来の色彩感覚について考える内容となっています。
また、能装束については、「朱生成段替り花籠に藤萩文様唐織」と「紅浅葱段替り露芝に梅水仙の雪輪と垣に菊文様唐織」(西陣織)が入替で展示されます。日光の時間変化を模擬した照明下で本来の色彩美を体験できます。さらに、2022年2月19日(土)には、外部講師に松山隆之氏(能楽シテ方観世流)と、三浦大徹氏(武者小路千家)をお呼びして記念ワークショップの実施も予定しています。
出展作品
能舞台と能装束
古来屋外に置かれ日中の演能であった能舞台に人工照明はなく、外光を取り入れた陰翳の中で装束や面が演技していた。ここでは原寸大の能舞台四半分に西陣唐織の能装束を日光の時間変化を摸擬した高演色LED照明下に展示することで、本来の色彩美を体験する。
【西陣織能装束展示期間】
第1回 2022年1月11日〜1月21日
第2回 2022年3月7日〜3月18日
床の間
数寄屋(茶屋)の深い庇(ひさし)や砂壁はことごとく外光を遮り、吸収し、必要最低限の明かりの中におもてなしの陰翳を造る。ここでは能舞台の檜(ひのき)材に応呼して杉の香りのする床の間で、時間と共に変化する日光が下地窓(墨跡窓)越しに柔らかに花を照らす様子を体験する。
笹色の紅
和の色の広がり
江戸時代末期の日本では、唇を緑と赤とに塗り分ける化粧が流行っていたという。なぜ、赤い紅花色素が緑色の光沢を持つのか、その謎に迫る学術研究の成果。2021年度ヘルシンキ国際教育映画祭(HEFFI)において最優秀芸術教育映画賞を受賞。
古来日本には赤)明るい)、黒(暗い)、白(我々の存在を超えるもの)、そして青(色相を持つ色彩のすべて)の四色があったと言われる。年月を経て現在の我々が「和の色」と考えている色の、色相や彩度、明度が全色空間の中でどのような広がりをもつのか体験する。
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
谷崎潤一郎(1886-1965)の著した「陰翳礼讃」は、明治期に一気に西洋文化に駆逐された日本古来の光や色の感覚、またそれらを前提にしていた建築様式や生活道具、芸能の持つ本質的な美の様式を指摘した名著である。昨今の昭和ブームに代表される陰翳への回帰運動が、その普遍性を証明していはしまいか。
関連イベント
記念ワークショップ
『文化の萃点(すいてん)~能楽と茶の湯の陰翳』
ワークショップ | |
開催日時 | 2022/2/19(sat) 10:30~12:00 |
講師 | 松山 隆之 (能楽シテ方観世流) 三浦 大徹 (武者小路千家) 司会:森山 剛(本企画展ディレクター) |
開催場所 | 東京工芸大学 厚木キャンパス 7号館1階 711教室 オンライン開催(Zoom使用) |
内容 | 能楽と茶の湯の間の萃(すい)点( 共有され共に取り組んでいる問題)について考える内容。そしてその過程で、仮想的にそれぞれを体験するワークショップです。 |
参加方法 | ご参加受付フォームよりお申し込み下さい。(事前予約制) お申し込みはこちら 本ワークショップは終了しました。ご参加頂きまして誠にありがとうございました。 |
開催概要
会期 | 2021年12月17日(金)〜 2022年3月25日(金) |
通常開館日 | 月〜金曜日 12:00 ~ 17:00 |
特別開館日 | A.3月5日(土) 11:00 〜 15:00 A.B.の日程で来場をご希望の方は3月4日(金)15:00までにご予約ください。 C.3月13日(日) 13:00 〜 17:00 C.の日程で来場をご希望の方は3月11日(金)15:00までにご予約ください。 D.3月21日(月・祝) 10:00 〜 17:00 D.の日程で来場をご希望の方は3月18日(金)15:00までにご予約ください。 ※特別開館日の開館時間は通常開館日と異なります。ご注意ください。 |
休館日 | 土曜日・日曜日・祝日(※本学イベント等のため、不定期に開館・閉館する場合があります。) 年末年始休館・・・2021年12月25日から2022年1月10日 |
来場方法 | 新型コロナウイルス感染症対策のため、当面の間事前予約制になります。 ご来場予約フォームよりお申し込み下さい。 ご予約はこちら 受付終了 |
入場料 | 無料 |
会場 | 東京工芸大学 厚木キャンパス |
主催 | 東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター |
協力 | ・公益財団法人手織技術振興財団 ・芦屋市谷崎潤一郎記念館 ・株式会社アヴニールマックス |
※新型コロナウイルス感染症対策の状況により、会期やイベントの変更、休館等の対応を行う場合があります。