東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センターは2022年度 東京工芸大学「アート&テクノロジーマネジメント講座(A&T講座)」を開催いたします。
2022年度 東京工芸大学「アート&テクノロジーマネジメント講座」は、メディアアート関連のマネジメントに興味があるアーティスト、学生、社会人等へ向けたアートマネジメント講座です。
近年のアートやデザインにおけるAIの活用、NFTアート、XR、メタバースなど、テクノロジーの影響によってアートの表現形態や社会的位置づけは変容し続けています。今後、アートマネジメント従事者にとって、特にメディアテクノロジーや情報化社会、サイエンスに対する深い知識や洞察力は必須となるでしょう。
芸術学部と工学部を有し、アートとテクノロジーの融合を推進する東京工芸大学は、工芸融合研究拠点である「色の国際科学芸術研究センター」の企画によるアート&テクノロジーマネジメント人材育成を目標とした本講座を開催いたします。
参考:アートマネジメントとは、アートや文化活動を「社会と結びつける」ための仕事や方法論を指します。具体的には、展覧会・イベント・プロジェクトの企画・運営、広報や市場調査、資金調達など、その内容は多岐にわたりますが、アートマネジメントの究極の目的は、芸術が持つ固有の価値を最大限社会に生かし、より良い社会を作り、人々の幸福を増大することだと言えます。
アート&テクノロジーマネジメントとは、上記のアートマネジメントの中でも特にメディアアート、アート&サイエンス、サイエンスコミュニケーション等に特化したマネジメントを指します。
講師プロフィール
(スケジュール順・敬称略)
阿部 芳久 / Yoshihisa Abe
プランニングディレクター。文化庁メディア芸術祭の構想段階から関わり、およそ20年間にわたって企画から制作、海外展開などを担当。学生CGコンテストやメディア・アンビション・トウキョウ等、産官学による様々な座組みで新しい文化や才能を社会につなげていく仕組み作りに取り組んできた。現在はキヤノンマーケティングジャパンでアート&テクノロジーによる体験価値創造事業を担当している。
筧 康明 / Yasuaki Kakehi
インタラクティブメディア研究者/アーティスト。博士(学際情報学)。慶應義塾大学、plaplax、MITメディアラボ等での活動を経て、現在は東京大学大学院情報学環教授。物理素材や環境の特性をデザインに取り込み、実世界体験やものづくりの可能性を広げるフィジカルインタフェース研究や作品制作を展開する。CHIやUIST、SIGGRAPHなど工学分野での発表に加え、Ars Electronica、SXSW、YCAM、ICC、文化庁メディア芸術祭などアート分野での発表・受賞も多数。
山峰 潤也 / Junya Yamamine
キュレーター/NYAW.inc 代表取締役/一般財団法人東京アートアクセラレーション共同代表
東京都写真美術館、金沢21世紀美術館、水戸芸術館現代美術センターにて学芸員として勤務、「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」「霧の抵抗 中谷芙二子(水戸芸術館)、「恵比寿映像祭(第4回-7回)」(東京都写真美術館)などをキュレーション。その後、アートコンプレックスANB Tokyo(六本木)の企画運営やavexが主催するMeet Your Art Festivalの企画・キュレーション、テレビ朝日やForbesなどのメディアや企業、行政関連の文化やアートに関わる事業のコンサルや監修を行う。また、2021年には国立台湾美術館にて「The world began without the human race and it will end without it.」を企画。そのほか、Prix Ars Electronica Digital Communities Advisory Board 2022、文化庁アートプラットフォーム事業委員(2018-2020)、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴメンバー、Tokyo Photographic Research副代表、2015年度文科省学芸員等在外派遣研修員、早稲田大学/東京工芸大学非常勤講師など。
ドミニク・チェン / Dominique Chen
博士(学際情報学)、早稲田大学文化構想学部・教授。テクノロジーと人間、そして自然存在の関係性を研究。21_21 DESIGN SIGHT『トランスレーションズ展―「わかりあえなさ」をわかりあおう』展示ディレクター。主な著書に『未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)。監訳書に『ウェルビーイングの設計論』(BNN新社)など。
塚田 有那 / Arina Tsukada
一般社団法人Whole Universe代表理事。編集者、キュレーター。世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。2016年より、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディア戦略を担当。2021年、展覧会「END展 死×テクノロジー×未来=?」を主催。同年、岩手県遠野市の民俗文化をめぐるカルチャーツアー「遠野巡灯籠木(トオノメグリトロゲ)」を指導。近著に『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(高橋ミレイと共同編著、2021年人工知能学会AI ELSI賞を受賞)、『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』(共にビー・エヌ・エヌ)、共著に『情報環世界 – 身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)、編集書籍に長谷川愛『20XX年の革命家になるには-スペキュラティヴ・デザインの授業』(ビー・エヌ・エヌ)がある。
長谷川 愛 / Ai Hasegawa
アーティスト。バイオアートやスペキュラティヴ・デザイン等の手法によって、生物学的課題や科学技術の進歩をモチーフに、現代社会に潜む諸問題を掘り出す作品を発表している。 IAMAS卒業後渡英。2012年英国Royal College of ArtにてMA修士取得。2014年から2016年秋までMIT Media Labにて研究員、MAS修士取得。2020から自治医科大学と京都工芸繊維大学にて特任研究員。MoMA、森美術館、上海当代艺术馆、イスラエルホロンデザインミュージアム、ミラノトリエンナーレ2019、アルスエレクトロニカ、NY MoMAなど国内外で多数展示。著書に「20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業 」(BNN新社)
渡邊 淳司 / Junji Watanabe
人間の触覚コミュニケーションの研究を人間情報科学の視点から行なう。また、人と人との共感や信頼を醸成し、ウェルビーイングな社会を実現する方法論について探究している。主著に『情報を生み出す触覚の知性』(化学同人、2014、毎日出版文化賞〈自然科学部門〉受賞)、『表現する認知科学』(新曜社、2020)、『情報環世界』(共著、NTT出版、2019)、『見えないスポーツ図鑑』(共著、晶文社、2020)、『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』(共監修・編著、ビー・エヌ・エヌ、2020)がある。
内田 孝幸 / Takayuki Uhchida
DJI CAMPスペシャリスト/東京工芸大学工学部教授(博士(工学))。UAV(通称ドローン)用いた画像から3Dモデルを構築し、さらにユニークな紙積層型フルカラー3Dプリンタを用いて、そのモデルを造形する研究に従事。マルチスペクトルカメラ、IRカメラを用いたインデックスマッピング・造形を展示・展開中。2021年には学生5名をDJI CAMPスペシャリストとして育成。
研究室HP http://www.mega.t-kougei.ac.jp/denga_me/
森山 朋絵 / Tomoe Moriyama
メディア芸術キュレーター/東京都現代美術館学芸員/日本VR学会フェロー。1989年より東京都写真美術館の創立に携わり、東京大学、早稲田大学ほか国内外の工学/芸術大学で教鞭を執り、映像メディア/現代美術展を多数企画。2007年より現職。独ZKM、米MITに文化庁派遣を経て日本人初のArt Gallery/E-tech議長(SIGGRAPH Asia 2008)、Prix Ars Electronica審査員、文化庁メディア芸術祭アート部門主査等を歴任。テクノロジーと芸術の協働や展示支援をテーマに研究と実践を行う。
司会・プログラムディレクター・プログラミングワークショップ講師
野口 靖 / Yasushi Noguchi
野口靖はアーティスト、プログラマー、活動家。参加型インスタレーション、ビデオ、ソフトウェアなどの幅広いメディアを使用して、彼の哲学を探求している。
日本の武蔵野美術大学で修士号を取得。その後助手を4年間務めたのち、ニューヨーク大学のInteractive Telecommunications Programでメディアアートを学び、修士号(M.P.S.)を取得した。文化庁新進芸術家海外研修制度(2002年〜2003年)およびポーラ美術振興財団在外研修制度(2003年〜2004年)在外派遣芸術家。
現在、東京工芸大学インタラクティブメディア学科教授。
講座概要
会期 | 2022年7月16日(土)〜10月8日(土)、2023年3月4日(希望者) |
講座回数 | 全10回(3/4は希望者のみ) |
受講料 | 一般:10,000円 / 学生:5,000円 |
申込受付期間 | 2022/6/13(月)〜7/4(月) 注)先着順で定員に達した時点で受付を終了します。 |
申込方法 | 定員に達したため、募集を終了しました。たくさんのお申し込みありがとうございました! 受講予定者には受講料支払い手続き(銀行振込)をメールでご案内します。 |
会場 | ●メイン会場 〒164-8678 東京都中野区本町2丁目9−5 ●ドローンワークショップ会場 〒243-0297 神奈川県厚木市飯山1583
※新型コロナウィルス感染状況によってはオンライン開催となる場合があります。 |
お問い合わせ | 東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター事務局 |
主催 | 東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター |
後援 | 東京工芸大学 |
事業名 | 令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業 |
スケジュール
【厚 】=厚木キャンパス、【中】=中野キャンパス
概論編 「アート&テクノロジーを俯瞰する」 | |||
アート&テクノロジーは、主に1950年代以降の工学的技術を取り入れたアートの表現形態を指し、現在では1980年代以降のメディアアートとほぼ同義語と言えます。概論編ではアート&テクノロジーの歴史や現代における展開、将来性などを論じ、また企業とのコラボレーションなどを通じアートとテクノロジーの協働をおこなっているアーティストの活動を紹介します。 | |||
7 / 16(土) 13:00 - 14:30 | 阿部 芳久【中】 | ||
7 / 23(土) 13:00 - 14:30 | 筧 康明【中】 | ||
応用編 「キュレーション思考講座」 | |||
キュレーションは、作品や情報、コンテンツなどを整備し、ひとつの方向性を見出しながら、社会性を伴ったメッセージが生じるように編成していく思考法を伴います。こうした視点に立ち、ゲストの現在の興味関心を紐解きながら、リサーチとそこから見出されたテーマについてトークします。 | |||
8/6(土) 13:00 - 14:30 | 山峰 潤也+野口 靖【中】 | ||
8/27(土) 13:00 - 14:30 | ドミニク・チェン+山峰 潤也【中】 | ||
8/27(土) 15:00 - 16:30 | 長谷川 愛+山峰 潤也【中】 | ||
9/3(土) 13:00 - 14:30 | 渡邊 淳司+野口 靖【中】 | ||
ワークショップ編 「アート&テクノロジーの関連技術体験」 | |||
アート&テクノロジー関連プロジェクトは、実際にどのような技術の上に成り立っているのでしょうか。重要な基幹技術である「プログラミング」と、近年、様々なアートプロジェクトに多用されている「ドローン」を体験することによって、アート&テクノロジーの関連技術を体感してもらいます。習熟度は問いません。 | |||
9/10(土) 13:00 - 16:00 | プログラミングワークショップ(講師:野口 靖)【中】 | ||
9/17(土) 10:30-12:00 13:00 - 16:00 | ドローンワークショップ(講師:内田 孝幸)【厚】 | ||
展示企画編 「アート&テクノロジーの展示企画を考える」 | |||
美術館のキュレーターはどのようにして展示を構想・企画しているのでしょうか。この展示企画編では、少人数のグループに分かれて展示企画を提案してもらいます。当日はゲスト講師による事例紹介やアドバイスを行い、美術館などにおける展示企画提案を体験します。 | |||
9/24(土) 13:00-16:00 | ゲスト:森山朋絵 レクチャー・ディスカッション【中】 | ||
10/8(土) 13:00-16:00 | 制作・プレゼンテーション【中】 | ||
2023/3/4(土) | 色の国際科学芸術研究センター国際シンポジウムで、各グループの企画を公開(自由参加)【中】 | ||
インターン編 | |||
本学で開催予定の企画展示にインターンとして参加することにより、実際にどのような過程を経て展示やイベントが開催されているかを体験してもらいます。 | |||
メニュー | 1. カラボギャラリー前期企画展ワークショップ補助(2022/7/30) 2. マインド・タイム・マシンII レクチャー参加(2023/1月下旬予定) 上記から選択していただきます(希望者)。 |
注意事項
- 申し込みの際にご入力いただいた情報(個人情報含む)は、以下の目的のため、東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センターが利用いたします。その他の取り扱いについては、「東京工芸大学における個人情報保護に関する基本方針」に従います。
- 本センターの展示、イベント、新着情報のご案内のため
- 本センターの運営改善のため
- 本講座における受講生同士のトラブル、荷物の紛失に関しては、責任を負いかねます。
- 本講座運用の妨げになる、もしくはふさわしくないと判断した受講生に関しては、受講をお断りする場合があります。
- 本講座に参加する際の移動に関わる経費(交通費等)は自己負担となります。
- 本講座のメイン会場は東京工芸大学中野キャンパス6号館ですが、ドローンワークショップのみ厚木キャンパス体育館となります。ご了承の上お申し込みください。
- 本講座の内容は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。