人工知能を用いた構造物の着色手法とプロジェクションの改良
芸術学部 インタラクティブメディア学科 教授 久原 泰雄
昨年度研究課題にて制作した「AI Gaudi」における着色手法は、ALifeの偶発的な側面が強かった。それを改良するため、偶発的な要素を減らし、より人間の芸術的センスをAIに組み込む方法を開発している。
本研究は、創発的でありながら、偶然のランダム性による粗雑な面を取り除き、芸術家におけるインスピレーションを引き出すことを目指している。
オランダの画家「モンドリアン」などに代表される抽象画にはかなりの程度、絵柄の構成に数学的なアルゴリズムが関係している。これらをコンピュータでシミュレーションし、再現するAI Compositionを作成中である。現在はAIの芸術分野への様々な応用例についての基礎研究を行っている。
また、スペイン大使館で開催された「ガウディ展」で展示されたグエル公園のコルク材の模型を借用し、プロジェクションの実験中。
バルセロナ市のウェブサイトAjuntament de Barcelonaから入手できる地図データを活用してモデルの生成を行っている。
3次元形状へのプロジェクションとして、地図データから3Dモデルを構築した地形や建造物を対象とするためのデータ収集と整備を行っている。
今年度は神奈川県住宅供給公社と本学で進めている緑ヶ丘団地活性化プロジェクト『ミドラボ』に関係するプロジェクトに協力し、あつぎSDGsフェスティバル2022ではAIを用いた作品を出展した。