金属様光沢膜を用いたエレクトロクロミック反射素子の製作

工学部 工学科 化学材料コース 教授 山田 勝実
芸術学部 映像学科 准教授 矢島 仁

色素膜の電気化学的酸化還元により、金属様光沢のON-OFF制御を行うことを目的に反射型エレトロクロミック素子を構築した。メチレンブルー膜では反射率の増減が認められた。ポリチオフェン誘導体膜からは金属様光沢の色調変化が認められた。

令和5年度研究成果ダウンロード

有機色素の中にはその固体状態で液状とは異なる色調を示すものがある。ベニバナ色素のように液状では紅色であるが、塗って乾かすことで光沢のある緑色の色調を示す。
私たちはいくつかの色素で同じような金属様光沢を示す色素固体膜について反射特性を調べてきた。それらの中で、これらの反射色が色素の光吸収にかかわる化学結合内の結合電子が重要な役割を果たしていることを明らかとした。これらの結論から、結合電子の状態を変化させることができれば、反射現象そのものや反射色を任意に切り替えることが可能になると考えた。
私たちはこの30年あまり、色素や導電性高分子の透過色を電気化学的に制御するエレクトロクロミズムの研究を行ってきた。色素の金属様光沢の研究とエレクトロクロミズムの研究を組み合わせることで、金属材料を用いない調光ミラーの実現を目指す研究を思い立った。

Images of crystal violet films before and after base treatment.

Share Our Research