導電性高分子の金属様光沢を利用した調光ミラーの実現
工学部 工学科 教授 山田 勝実
新しい方法により導電性高分子膜に金属様光沢を生じさせ、光沢色や反射率をエレクトロクロミズムにより制御できる調光ミラーを実現させる。
ポリアセチレンをはじめいくつかの導電性高分子で金属様光沢が現れることは知られていた。近年ポリチオフェン誘導体からも金色の金属様光沢が得られることが報告された。
私たちは電気化学的な方法により簡便にポリチオフェン誘導体の金属様光沢膜を電極上に得るために、多ステップ定電位電解重合法(MS-PS重合)を考え出した。
この方法では、従来法に比べ短時間で光沢膜が得られること、重合時に印加する電位が固定されているため均質な生成物が得られることが特徴で、印加する電位や時間を変えることで光沢の色調を変えることができる可能性がある。
実際にMS-PS重合により短時間で金属様光沢を示すポリチオフェン誘導体膜を得ることに成功し、電気化学的な酸化還元で光沢の色調を変えることに成功した。