工学部 工学科 教授 森山 剛
工学部 工学科 新城 幸也
工学部 工学科 助教 福井 貴大
東京農業大学 農学部 准教授 野口 有里紗
カンボジア工科大学 助教 Pinnara Ket
福井大学 学術研究院工学系部門 教授 藤垣 元治
地域ごとに異なる土壌や気候の特性に対応することがスマート農業普及の障壁となっている。
そこで本研究では、土壌及び気候を計測するセンサーを接続したセンサーネットワークを構成し(環境センサーシステム)、そこで得られるデータを基に、観測される環境変数から潅水や施肥のコントロール量を算出し、農作物の生育量を予測する計算モデルをクラウド上に作成する(農地モデリング)。
そして提案するモデルを、日本並びにカンボジアといった土壌や気候の異なる農地において地域性に適応させる実験を行うことによって、同じモデルを異なるパラメータセットで運用できるようにすることを目的とする。
まず、環境センサーシステムを農地に導入し、センサーデータが定期的にアップロードされ、サーバー上でデータが蓄積されるようにする。
そしてセンサーデータを基に潅水や施肥を行って、土壌及び環境の時間変化を可視化する性能を確認する。
カンボジア試験農場(国立バッタンバン大学、カンボジア工科大学)においても同様の検討を行い、日本での結果とカンボジアでの結果を比較する。
次に、野菜を植えて、同様の検討を行う。
その際、野菜の種類を数種類用いることや、カメラ及び3次元計測器を導入して生育評価アルゴリズムの検討を行う。
1年目は野菜を用いた実験が秋季にかかるため、2年目の春季に異なる品種を用いた同様の実験を行う。
計量トレーサビリティに基づく校正されたデータの蓄積方法と、データ解析に基づいて地域性を反映することのできる農地モデリングを研究成果とする。
さらに可能であれば、培地周辺に水槽を設け、水槽内で発生する藻を食料として魚を生育させ、魚の糞(アンモニア)をバクテリア槽で硝酸に分解し培地に散布する仕組み(開放型アクアポニックス)の導入検討も行う。
その際、魚の健康(動き)観測の検討も行う。
