工学部 工学科 情報コース 教授 片上 大輔
電気通信大学 宮本 友樹
工学部 工学科 情報コース 宇野 愛華
本研究では、非言語コミュニケーションを重視するユマニチュードと、ロールプレイ体験によるマインドリーディングの活性化に着目した、認知症介護のためのロールプレイ演習型トレーニングシステムを開発した。成果は国際会議HAI2025での発表や、「みんなの脳科学2025」での体験展示を通じて広く発信された。展示では100名近くがAIとの対話を体験し、本取り組みを含めたこれまでの活動は「ニューロダイバーシティアワード2025」を受賞した(世界10カ国170件中上位3.5%)。授賞式の内容はPRTIMESで配信され、プロジェクト関連のWeb記事としてインタビューも掲載されるなど、社会的にも高く評価されている。
<成果公開の目的>
認知症の正しい知識を広め、家族介護におけるトラブル回避や介護者の心理的負担軽減を目指す。また、患者の心情理解を促し、より良い介護方法の試行錯誤を支援する。さらに、直面する前に家族介護の困難さへの理解を深める機会を提供し、社会問題化する孤独な介護環境の改善に貢献することが目的である。
<本成果公開の必要性と意義>
認知症高齢者と家族介護者が増加する中、不理解による介護トラブルを防ぐ対策が急務である。介護者が早期に認知症を受容するための学習や理解深化を支援する点で本成果の公開は意義深い。また、本研究は高齢化社会に不可欠なテーマであり、大学の新たな福祉支援AI分野のブランド研究へと発展すると考える。
<本成果の独自性や革新性、創造性>
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)「認知症の行動・心理症状」軽減のためのバリデーション手法と、非言語情報を重視するユマニチュードの考え方を統合した家族介護者向けの支援システムである点が独自である。AIエージェントとのリアルタイムな音声コミュニケーションを用いたロールプレイを通じて、実践的で高い学習効果を生む。国際的な表彰実績もあり、従来の福祉支援システムに比べ革新性が高い。
