2022.7.16 Sat 〜 10.18 Sat
色の国際科学芸術研究センターでは、メディアテクノロジーや情報化社会、サイエンスに対する深い知識や洞察力を兼ね備えたマネジメント人材の育成を目標とした「アート&テクノロジーマネジメント講座」を開催いたしました。
本講座は2022年7月から10月の期間で全10回で行い、各テーマ毎に特別講師をお招きしてレクチャーやワークショップ、受講者同士のディスカッションや課題の制作、講評を行いました。
概論編 「アート&テクノロジーを俯瞰する」
概論編では、プランニングディレクター 阿部 芳久氏と慶應義塾大学 筧 康明准教授をお招きしてアートとテクノロジーの歴史や現代における展開と将来性、講師が実際にプランニングした展覧会や作品の制作、企業とのコラボレーションした際の体験談などをお話していただきました。レクチャーでは、メディア芸術と時代との深い関係性や最新のテクノロジー技術や未来のアートの可能性を見出しました。
応用編 「キュレーション思考講座」
応用編では、キュレーターの山峰 潤也氏をはじめ、ドミニク・チェン氏、長谷川 愛氏、渡邊 淳司氏などのアーティストをお招きして、ゲスト講師の現在の興味関心を紐解きながら、リサーチとそこから見出されたテーマについてお話しいただきました。受講者には、展覧会を開催するにあたり必須となる「アーティストリサーチ」を作成したり、その人が”良い”と感じられる状態やあり方を考える「ウェルビーイングカード」を使用したグループディスカッションなどを通じて、作品や情報・コンテンツなどを整備し、ひとつの方向性を見出しながら、社会性を伴ったメッセージが生じるように編成する「キュレーションの思考法」を学びました。
ワークショップ編 「アート&テクノロジーの関連技術体験」
ワークショップ編では東京工芸大学 野口 靖教授によるビジュアルプログラミング言語”TouchDesigner”を使用した「プログラミング」と、東京工芸大学 内田 孝幸教授による「ドローン」の技術を受講者に体験していただきました。各ワークショップでは、操作方法やソフトの使い方のレクチャーを行った後、受講者が操作を実践する内容でした。技術的な質問や説明をワークショップ中に操作しながら受け答えできたことにより、理解が深まったと声が寄せられました。
展示企画編 「アート&テクノロジーの展示企画を考える」
展示企画編では、東京都現代美術館学芸員 森山 朋絵氏をお招きし、受講者が2つのチームに分かれて「異分野のコラボレーション企画」をテーマにした”展覧会の企画書作成”と”展示支援システムの提案”の課題を行いました。
最終回では、展覧会のタイトル・目的・座組・構図などを含めた作成した企画提案書を元に、両チームが企画した展覧会のプレゼンを行い、森山氏、東京工芸大学 中島 武三志准教授、東京工芸大学 野口 靖教授より講評をいただきました。
展覧会の企画や作品の制作を行うにあたり、芸術への理解だけではなく、リサーチやキュレーション・プレゼンなどのスキルをはじめ、多岐に渡る分野の知識が必要不可欠であることを学びました。
受講生は最新のアートや技術の知識、マネジメント能力を学ぶ機会だけではなく、新たな発想や視点・考え方の変化など、有意義な時間と良い成果が得られたのではないでしょうか。
※プレゼンで各チームが企画した展覧会の展示用ポスターは2023年3月に開催される第4回国際シンポジウムで公開いたします。