体験型のVRインスタレーション作品『Mind Time Machine Ⅱ』プロジェクトを公開

池上高志+evala+新津保建秀
「マインド・タイム・マシンII – 脳の制御処理する情動・感覚が生み出す超越的な空間/時間を体験する」を公開します。
本プロジェクトは、東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター、東京大学 池上高志研究室、株式会社 オルタナティヴ・マシンの共同主催となっています。

このプロジェクトは、最新のメディアテクノロジーや機械学習を全面的に用いたアート作品体験を通じて、脳の新しいモデルを浮き上がらせると同時に、脳の新しいモデルへの考察を通じて、アートにおける知覚や意識に対して、従来の芸術とは全く異なる関係と経験もたらす、という二重の意義を持っています。
脳は1000億の神経細胞が構造的につながりあったネットワークです。そこには細胞レベルではわからない次のような特徴があると考えます。

  1. 脳波(EEG)が、いろいろな情動や感覚の活動を制御しているようだ。
  2. 脳は基本的に、時間生成装置であり、音・音楽の作曲装置である。
  3. ベンジャミン・リベット(Benjamin Libet)は、主観的な時間の原因を神経伝達信号の波形に見ている。
  4. すべての認知は、空間的なものである。
  5. すべての認知は、共感覚的なものである。
  6. Default mode Networkが脳の基底で常に働いている。

以上の知見を基に、今回の体験型VR作品『Mind Time Machine II』が構想・制作されています。

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体験型VR作品『MTM II』イメージ

展示体験作品(新作)

MTM[Mind Time Machine]II

アートとサイエンスをめぐる作品『Mind Time Machine』は、脳に関する新しいモデルを、体験するインスタレーションという形で展示するものです。『Mind Time Machine II』はVRシステムによって1人で歩きながら体験します。

プロファイル

池上 高志 Ikegami Takashi

複雑系・Alife研究者。東京大学大学院総合文化研究科教授。1989年東京大学大学院理学系研究科物理学修了。株式会社「オルタナティヴ・マシン」取締役、一般社団法人「ALIFE Lab.」代表。複雑系とAlife(人工生命)をテーマに研究を続けるかたわら、アートとサイエンスの領域をつなぐ活動を精力的におこなう。著書に『動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ』(青土社、2007)、『生命のサンドウィッチ理論』(講談社、2013)、『人間と機械のあいだ』(石黒浩と共著、講談社、2016)など。芸術分野では、渋谷慶一郎、evalaとの共作『filmachine』(山口情報芸術センター、2006)、新津保建秀、石橋素との共作『Mind Time Machine』(山口情報芸術センター、2010)、渋谷慶一郎、石黒浩との共作によるアンドロイドAlterを使ったアート活動やパフォーマンス『Scary Beauty』(2018〜)など。受賞歴に、国際フェスティヴァルArs Electronica「Honorary mention」(2007)、文化庁メディア芸術祭(2010)審査委員賞など。

evala

音楽家、サウンドアーティスト。「SEE by YOUR EARS」主宰。先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外でインスタレーション、コンサート、ライブステージ、サウンドプロデュースをおこなう。代表作品に『大きな耳をもったキツネ』(2013–14)、『hearing things #Metronome』(2016)、『薬師寺 光響夜 – inori-』(薬師寺、奈良、2022)。共同作品に『Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY phosphere』(Gallery AaMo、2017)、鈴木昭男との野外サウンドインスタレーション『聴象発景』(中津万象園、丸亀市、2018)、関根光才とのInvisible Cinema『Sea, See, She – まだ見ぬ君へ』(Spiral Hall、2020)、など。国際グループ展『Otherly Space / Knowledge』(Asian Culture Center、光州広域市、2018)に参加。

新津保 建秀 Shintsubo Kenshu

写真家、アーティスト。東京藝術大学大学院博士後期課程 美術専攻油画研究領域修了。博士(美術)。写真、映像、ドローイングによる制作をおこなう。主な個展に『\風景+』(東京、ヒルサイドフォーラム、2012)、『チェルノブイリマテリアルズ』(東京、オンサンデーズ、2013)、『アーカイブ/ 余白 / 建築』(東京、ソニーイメージングギャラリー銀座、2014)、『Liquid_Turpentine』(遊工房、東京、2015)など。主なグループ展に、『カメラのみぞ知る』(TALION GALLERY、東京、2015)『Object manipulation』(statements、東京、2017)、『北アルプス国際芸術祭』(長野県大町市、2017)、「東京インディペンデント」(東京藝術大学大学美術館陳列館、2019、など。池上高志、石橋素『MTM [Mind Time Machine]』(山口情報芸術センター、2010)に参加。

展示概要

開催日

2023年2月17日(金)〜 2023年2月19日(日)

時 間

13:00〜18:00 [毎時:00/30の2回開催]

※各回お一人様のみの体験 [VR機材使用]

ワークショップ+

レクチャー

2023年2月18日(土)  13:00 〜 15:00 ※予約者のみ

参加方法

完全予約制

参加ご予約はコチラ

料 金

無料

会 場

東京大学

駒場IIキャンパス 先端科学技術研究センター4号館回廊(野外)

東京都目黒区駒場4丁目6-1

アクセス情報

最寄り駅:京王井の頭線・池ノ上駅、駒場東大前駅から徒歩約8分

     小田急線東北沢駅出口から徒歩約8分

共同主催

東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター

東京大学 池上高志研究室

株式会社オルタナティヴ・マシン

協 力

東京大学 先端科学技術研究センター 社会連携研究部門 モビリティゼロ

東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター

事業名

令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業

※新型コロナウイルス感染症対策の状況により、会期やイベントの変更、休館等の対応を行う場合があります。