芸術学部 ゲーム学科 教授 中村 隆之
芸術学部 ゲーム学科 准教授 原 寛徳

本研究では視覚障碍者でも健常者でもプレイできるインクルーシブなゲームを開発する。そのために、ボタンそのものから任意の音声を出力できる新しいデバイスを開発する。

ビデオゲームの多くは視覚に依存しており、視覚障害者にとってプレイが困難または不可能なものが大半を占めている。過去に音のみでフィードバックを提供するゲームが開発されてきたが、その数は限られており、現在では入手も困難である。

本研究では、視覚障害の有無に関わらず、インクルーシブにプレイを楽しめるゲームの開発を目的とする。そのために、ボタン自体がスピーカーとしても機能し、視覚情報なしで音源位置を特定できる新たなボタンインターフェースを提案する。研究は二段階で構成され、まずスピーカー内蔵ボタンの開発を行い、次にそのデバイスを用いたゲームの開発を実施する。
スピーカー内蔵ボタン技術は、操作ボタンの位置を音声で提示することを可能にし、娯楽目的だけでなく日常生活における応用も期待できる。本ゲーム開発では、このスピーカー内蔵ボタンを活用し、視覚障害者のみならず、子供から高齢者まで幅広い層が楽しめるゲームの創出を目指す。