有色黒鉛層間化合物の大気非暴露環境における構造・物性評価
工学部 工学科 教授 松本 里香
工学部 工学科 教授 山田 勝実
工学部 工学科 教授 大嶋 正人
工学部 工学科 准教授 行谷 時男
實方 真臣
前年度の「黒鉛が金属等と反応すると、さまざまな『色』をもつ黒鉛層間化合物を形成する」という研究の課題に引き続き、有色の黒鉛層間化合物サンプルを合成し、カラー写真とともに、構造や物性に関するデータをまとめます。
特に、今年度の研究課題では、これまであきらめていた大気非暴露でのデータ収集に挑戦します。
黒鉛層間化合物は大気下で不安定であり、大気暴露直後に分解が始まり、一瞬で褪色し、構造や特性も変化してしまいます。
よって、黒鉛層間化合物の大気非暴露環境による構造や物性データは少なく、データ収集が望まれているため、現在、大気非暴露環境での電気伝導率測定を実現するシステムを作成しています。
小型グローブボックスにアルゴンガスを満たした不活性雰囲気下で測定するが、測定用端子を簡易に取り付けるシステムも併せて作成中で、大気非暴露での電気伝導率測定が実現できれば、ホール係数測定等の他の物性値の測定に拡張することが可能です。
また、大気非暴露でのX線回折測定が必須であると考えていますが、これに関しては測定装置の変更も含め、検討中です。