複数の有機色素を用いた金属様光沢の混色の実現
工学部 工学科 化学材料コース 教授 山田 勝実
芸術学部 映像学科 情報コース 准教授 矢島 仁
検討した有機合成色素からの金属様光沢の発現は、発色にかかわる分子構造中の結合電子による電磁波の共鳴と、その後の二次光放射に関係していることが明らかとなった。
また、これらの光沢は、分子分散状態と凝集状態が色調に影響していると考えられたので、複数の異なる色素が共存する場合に金属様光沢の色調がどのようになるかを検討する。
複数の色素を透明高分子シートに取り組む方法としていくつか挙げられる。1つ目は色素Aと色素Bを一つの溶媒に溶かして同時に導入するもの。
2つ目は、一つの色素Aの溶液から導入した後、もう一つの色素Bの溶液から導入する。これは、溶媒を選ぶ場合、自由度が高くなり、それぞれの色素の良溶媒を用いることができる。
3つ目は、それぞれの色素を異なる溶媒に溶かしたのち溶液を混合して導入する。現在は、3つ目の方法で、各色素溶液の濃度や混合割合の検討を行っているところ。ここまでに単独色素にはない新たな反射が認められた。