導電性高分子による構造色反射膜の設計と作製
工学部 工学科 教授 山田 勝実
工学部 工学科 教授 越地 福朗
工学部 工学科 助教 常安 翔太
工学部 工学科 教授 内田 孝幸
屈折率の異なる導電性高分子層を交互に重ねることで様々な色調の金属様光沢を得る。
その設計と製作を行う。
導電性高分子は基本的に固有の屈折率を有している。
屈折率が異なる界面には反射光が生じ、これ等の界面が積層することで特定波長の光に共振し、色のある金属様光沢をもたらす。電位走査下電解重合を用いることで、二種類の単量体を含む重合液から屈折率の異なる導電性高分子膜を交互に積層することができる。
この方法と私たちが提案した多段階定電位電解重合を組み合わせて、所望の色調の金属様光沢を得ることを目的にして研究を行った。
酸化電位が低い単量体Aと酸化電位が高い単量体Bを含む重合液に、まず単量体Aが重合する一定電位1を印加する。この手順で高分子A膜が形成される。
次に単量体AおよびBが重合する一定電位2を印加する。この手順で、単量体AとBの共重合体膜が形成する。
AとBがどのような比率になるか等で、共重合体膜の屈折理も変化する。このように高分子Aと共重合高分子ABの屈折率は異なっており、界面で反射光が生じる。
これらの一定電位1および2の印加を繰り返すことで、異種の高分子の多層膜が形成され、界面での多重反射により、共振した波長の光が光沢となり観察される。
