フルカラー観察と高精度位相計測兼用の透過型干渉顕微鏡の開発
工学部 工学科 教授 陳 軍
発展の著しいフォトニクスやバイオニクス分野において、微小で透明な物体の高精度定量計測技術が強く求められている。
いままで、レーザを光源に用いた高精度位相計測透過型干渉顕微鏡を開発してきた。しかし、光源が単色のためフルカラーの観察ができなかった。
そこで、光源と光学系を工夫することで、フルカラー直接観察とともに高精度定量計測が可能な新しい干渉顕微鏡顕微鏡の開発に取り組んでいる。
近年、フォトニクスやバイオニクスが目覚ましい進歩を遂げている。これらの分野において、光導波路や活きた生物細胞のような微小で透明な物体のフルカラー観察と共に高精度定量計測がますます重要になってきた。
そのため、我々は白色光源を用いる透過型共通光路干渉顕微鏡の開発に取り組んでいる。このシステムは通常の透過型光学顕微鏡の結像系にウォラストンプリズムや1/4波長板、偏光カメラを導入したものである。白色光源を用いているため、フルカラー観察が可能となる。
一方、位相計測を行う際、照明光路に干渉フィルターを挿入して単色光を取り出して用いればよい。試料を通過する物体光と参照光はほぼ共通の光路を通り、振動や空気のゆらぎによる位相変動が互いにキャンセルされ、高安定で高精度の位相計測を実現できる。
このように、フルカラー観察と高精度干渉計測を合わせて実現でき、広い分野での応用が期待できる。