導電性高分子を用いたフレキシブル透明アンテナの実現

工学部 工学科 教授 山田 勝実

工芸大の独自技術の導電性高分子のミクロナノ3Dプリンティングを用いて透明樹脂シート内にポリピロールで数十ミクロン径のループアンテナを構築する。

本研究では、導電性高分子の微細構造を構築する方法として多光子吸収増感重合を用いている。フェムト秒パルスレーザーを光源として光増感分子のルテニウ錯体を2光子吸収で励起させ、レーザー集光焦点を三次元的に移動させることで、ポリピロールの微細な三次元構造を透明樹脂シート内部に得る。
このポリピロール三次元構造は通常合成方法よりも優れた電気伝導性を有しているので、形状を活かした応用として、本研究では導電性高分子でループアンテナを構築することを思い立った。
この方法による造形では、ポリピロールが形成した奥にはレーザー光が届かないため、立体構造の構築には造形手順が重要になる。一筆書きできない形状では、構造物のつなぎ目の形成に工夫が必要である。また、造形方向によっても導電性が異なるため、造形条件にも工夫が必要である。

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