人工知能を利用した民族誌映像のラベリングシステムの開発とアーカイブアート作品への応用
工学部 工学科 准教授 大海 悠太
芸術学部 インタラクティブメディア学科 教授 野口 靖
本研究は、特に「行動・振る舞い」に着目した人工知能による映像のラベリングシステムの開発と、その民族誌映像アーカイブへの応用を目指す。
従来の動画ラベリング技術は主に物体認識に重点を置いており、人物の行動や振る舞いを詳細に捉える技術はこれからさらに発展が期待される分野である。
一方で、民俗誌映像では人の行動様式が文化的な意味を持ち、動画内で人物がどのような行動をとっているか、またその表情やしぐさから何を読み取れるかといった情報が重要である。特に、1950年代にドイツで制作された約3000タイトルの映像百科事典「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ(以下EC)」は、人々の生活や文化的行動を記録した貴重なアーカイブであり、その価値をさらに発展的に活用する取り組みが期待されている。
本研究では、EC映像に含まれる「行動・振る舞い」を抽出し、それを再構築・再解釈してアーカイブアート作品として公開することにより、AI・人類学・アートの学際的な融合による新たな知見を提示する。
