Promoting scientific understanding of lumen prints for more creative artistic expression

芸術学部 写真学科 准教授 大和田 良
工学部 工学科 教授 山田 勝実

ルーメンプリントは、印画紙を長時間マスク露光し、現像処理をせずに定着処理することで生成される画像である。
黒白印画紙を用いながらも、薄紅色や薄紫色など黒以外の色調が現れることを特徴とする。
本研究では、この色調の原因を科学的に解明することを目的としている。

本研究は、新たなオルタナティブ写真技法として注目されるルーメンプリントに着目し、その色調再現の機構と現代における活用可能性を科学的に検証することを目的とする。
具体的には、色調が画像を構成する銀粒子のサイズ・形態・密度によって規定されることを明示し、現行市販の黒白銀塩印画紙を用いたルーメンプリントの色調再現結果を報告するとともに、その特徴を整理・体系化する。
本技法は国内における本格的な研究の蓄積が乏しいため、写真科学および写真表現研究に新たな知見を提供する点で学術的意義を有する。
また、比較的低環境負荷の技法であり、さらに期限切れ感光材料の有効活用にも資するため、持続可能性の観点から社会的価値も高いと考えられる。
以上により、写真表現の拡張と資源循環の双方への貢献が期待される。

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