Experimental Study on Advanced Electric Propulsion Systems for Next-Generation Small Satellites

工学部 工学科 准教授 上野一磨

本研究は、次世代小型衛星用の高機能電気推進システムの実現を目指した実験研究です。
申請者はこれまでに、独自に設計製作した高制御性電源(特許出願中)と既設計の電気推進を組み合わせ、①超小型(掌サイズ)、②高出力(同サイズの他機種に比べ)、③高出力制御性(おそらく世界初)三つの機能を個別に技術実証してきました。
しかし、これらの機能を統合したシステムとしての実証には至っていません。本研究では、大学実験室に高機能電気推進用実験システムを構築し、高出力と高制御性を兼ね備えた小型電気推進の基本性能を明らかにすることを目的としています。得られた基礎データは、提案する高機能電気推進の宇宙実証に向けた基礎データとするとともに、著しい成長を続ける宇宙産業において、次世代衛星の推進システムとして搭載候補となるシステムとして位置づけたい考えです。

本研究の目的は、申請者が個別に技術実証した①超小型化、②高出力、③高制御性の三要素を統合した小型電気推進システムの性能を、実験室レベルで定量的に評価することです。この評価により、衛星設計や機能向上に必要なベースデータを得ます。
研究は次のように進めます。まず、高制御性電源と高出力電気推進機を統合した実験用評価システムと、推力測定のための振り子式スラストスタンドなどの測定装置を構築します。
次に、構築したシステムを用いて小型電気推進の性能評価を実施します。具体的には、作動に必要な推進剤ガス流量や放電電流の制御関係を確認し、正常作動を確認した後、幅広い条件で推力、推進効率(エネルギーの変換効率)、比推力(燃費)を計測し、その基本性能を明らかにします。
最後に、得られたデータを他の推進システムと比較することで、提案するシステムの優位性を定量的に評価します。この成果は、次世代衛星の推進システム搭載候補として位置づけられるための基礎データとなります。

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