スマートアクアポニックスにおける音刺激及び色光照明の影響

工学部 工学科 教授 森山 剛
工学部 工学科 助教 福井 貴大
東京農業大学 農学部 准教授 野口 有里紗
カンボジア工科大学 水文学および水資源工学部
助教 Pinnara Ket

陸上養殖と水耕栽培を循環させるアクアポニックスにおいて、植物に対して音刺激を与えたり色光照明の条件を変化させたりといった環境の変化が及ぼす効果をセンサー技術を用いて定量評価する。

野菜の生育を促進するために、太陽光に近い広帯域色光照明や音刺激の有効性が示唆されている。
そこで色光照明及び音刺激の照射時間や強度を含めた最適な条件を実験により明らかにする。また、色画像解析による野菜の生育評価や魚介の成長管理(例えば、脱皮のタイミングの検出)を行うアルゴリズムの検討、さらに、時系列で得られる画像や各種センサー出力(温度及び湿度、pH、硝酸濃度、アンモニア濃度、導電率(EC))の管理方法の検討、そのリモートモニタリングシステムの検討を行う。
野菜を含む食糧の安定供給や持続可能な環境との共存は、世界的な喫緊の課題である。
本研究は、農業研究の環境は整っているが工学的な設備やツールの不足した農業研究者と、それらは揃っているが農業研究の知識や環境のない工学者がお互いの持てるものを融合した共同研究体制である点に特色がある。
さらに、農業を第一の産業とし気候の安定したカンボジアにおいて、屋外の土耕栽培や屋内のアクアポニックスの研究を進めることで国際協力を行うことができるだけでなく、我が国にとっても必要な技術開発に貢献できる。

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