外観デザインと調和する超広帯域透明アンテナ

工学部 工学科 教授 越地 福朗
工学部 工学科 准教授 安田 洋司
工学部 工学科 教授 小林 信一
工学部 工学科 教授 山田 勝実
工学部 工学科 教授 内田 孝幸
齋藤 優花

近年、Internet of Things(IoT)や、第5、第6世代移動通信システム(5G,6G)に関する研究開発が進められており、機器やシステムのデザイン性を損なわないように実装可能な光学的に透明なアンテナが望まれている。
著者らは、Indium Tin Oxide (ITO)透明導電膜によって形成し、可視光透過率とアンテナ放射効
率を両立するモノポールアンテナを実現している。
本研究では,広帯域な特性を有することで知られるUWB用広帯域半円台形不平衡ダイポールアンテナを透明導電膜で構成する検討を行った。その結果、従来サイズの82%の小型サイズでありながら、UWB帯域を含む3 GHz以上の周波数帯で動作する、広帯域特性と小型サイズを両立するアンテナを得た。

令和5年度研究成果ダウンロード

近年、スマートシティの実現に向けて、Internet of Things(IoT)や,第5,第6世代移動通信システム(5G、6G)に関する研究開発が進められている。
これらの通信システムにおいては、通信特性向上のために、アレーアンテナが利用されている。また、アンテナの放射特性を確保する観点から、アンテナ設置場所は機器筐体内部よりも筐体表面が望まれている。
こうした背景から、機器やシステムのデザイン性を損なわないように、光学的に透明なアンテナが望まれている。
著者らは、これまでにガラス基板上に膜厚300 nmのIndium Tin Oxide (ITO)透明導電膜を形成し、81%以上の可視光透過率と68%以上のアンテナ放射効率を有するモノポールアンテナを実現している。
また、著者らは、Ultra-wideband (UWB)通信システムで利用する3.1~10.6 GHzの帯域をカバーする広帯域アンテナとして半円形と台形の放射素子を組み合わせた、半円台形不平衡ダイポールアンテナを実現しており、このアンテナの透明化が望まれるものの、これまでに広帯域な特性を有する透明アンテナの検討はほとんどされていない。

本研究では、放射素子をITO透明導電膜によって形成するUWB用広帯域半円台形不平衡ダイポールアンテナの実現可能性について検討し、試作アンテナによって特性確認を行う。

A picture of prototyped antenna

Antenna configurations

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