カラボギャラリー第6回企画展-光が重なるとき、新しい色が生まれる-

2020.09.25 fri ~ 2021.04.23 fri
東京工芸大学色の国際科学芸術研究センター「カラボギャラリー」では2020年9月25日(金)より2021年4月23日(金)まで第6回企画展、『光が重なるとき、新しい色が生まれる When Lights Overlap, New Colors Are Created』を開催いたします。

タマムシから発せられる虹色の輝きは、玉虫厨子を代表とする調度品に使われ古くから人々を魅了してきました。また、モルフォ蝶の翅が持つ深い青は、19世紀のイギリスのヴィクトリア女王をも虜にしたと言われています。これらの不思議で魅力的な色彩はどのようにして作り出されているのでしょうか。

実は、タマムシやモルフォ蝶の翅自体に色が付いているわけではありません。翅の微細な凹凸に光が当たって複雑に反射し、複数の波長の光が互いを強めあったり弱めあったりすることによって、本来そこにはない色が生み出されているのです。この光が持つ性質は「干渉」と呼ばれ、昆虫だけでなくシャボン玉や宝石など、他にも光の干渉によって発色しているものが多く存在します。また、立体像を記録・表示するホログラフィも、この原理を利用しています。

カラボギャラリー第6回企画展では、この光の干渉を利用した様々なアート作品と、その仕組みをご紹介します。光の不思議な性質によって紡ぎ出される色彩の神秘をご体験ください。


参加アーティスト

クリストファー・マーレー / Christopher Marley

AESTHETICA MOSAIC

ロサンゼルス生まれのアーティスト・博物学者。 最先端の技術を駆使して昆虫、毒ヘビ、熱帯魚などを芸術作品に変えたアートワークを発表し続けており、世界中の500を超えるギャラリーや企画展で展示している。今回は、光の干渉による構造色の翅を持った、モルフォ蝶やタマムシなどを素材にした作品を紹介する。

クリス・ウッド / Chris Wood

Ceilidh

英国で活躍するアーティスト。さまざまな光学素材により生み出される自然光のパターンを利用した作品を発表している。彼女が頻繁に使用するダイクロイックフィルムは、もともとNASA等によって開発されたもので、薄膜による光の干渉によってさまざまな虹色の影を生成する。今回はこのフィルムを利用した色彩豊かな作品を展示する。

比江島 俊浩 / Toshihiro Hiejima

光と音の干渉が生み出すサウンドイメージ

日本の科学者。東京工芸大学教授。構造色とは、微細な構造に対して光の干渉や回折、屈折などにより特定の波長が反射する現象であり、モルフォ蝶やタマムシの翅の色調が代表的な例である。一方、クラドニ図形は音の干渉によって生じる幾何学模様である。今回は、構造色の示す光の干渉とクラドニ図形に現れる音の干渉によって生み出されるサウンドイメージを紹介する。

菱田真史 / Mafumi Hishida

Flux

日本の科学者・アーティスト。筑波大学数理物質系助教。専門は液体やゲルなど柔らかい物質に関する物理学および化学で、2015年頃より科学とアートの協奏を目指した作品制作を行っている。今回は、液晶の偏光観察における干渉色を利用した映像作品や、構造色を示す液晶材料を用いた作品を展示する。

Color Research Lab. / カラー・リサーチ・ラボ

色の国際科学芸術研究センターによる支援のもとで実施された、本学の多岐にわたる「色」に関する研究成果展示を、企画展と同時開催します。

大ジードルンク・ブリッツの色彩復元模型
電子ペーパーで写真をつくる
ライティングドーム内のCMYキューブ
  • 写真プリントの高質感再現システムの研究(代表:東 吉彦)
  • ライティングドーム内のCMYキューブ(代表:内田 孝幸)
  • ブルーノ・タウト設計の大ジードルンク・ブリッツの色彩復元模型(海老澤 模奈人)
  • 顔の表情認識を用いた人の感情における色の表現(代表:姜 有宣)
  • 高強度カラーコンクリート(陣内 浩)
  • LN結晶を用いた多色ホログラム動画表示素子の開発(代表:陳 軍)
  • 電子ペーパーで写真をつくる(代表:常安 翔太) など

>>PDF版パンフレットダウンロード

開催概要

新型コロナウィルス対策のため、当面の間、事前予約制で以下の開館日程とします。

会期2020年9月25日(金)〜2021年4月23日(金)
開館日時月〜金曜日 12:00~17:00
本学イベント等のため、不定期に開館・閉館する場合があります。
予約方法メールに以下の情報をご記入いただき、col.lab.yoyaku@office.t-kougei.ac.jpにお送りください。

①氏名
②連絡先メールアドレス
③連絡先電話番号
④来館人数(ご本人含む)
⑤来館希望日時 第1希望
 来館希望日時 第2希望   
 来館希望日時 第3希望
 ※開館時間 月〜金 12:00~17:00です。1時間単位で希望日時をご指定ください。
入場料無料
会場東京工芸大学厚木キャンパス12号館 2 階 カラボギャラリー
〒243-0297 神奈川県厚木市飯山 1583
TEL:046-242-4111 ※車での来場可。正門前守衛室にお声がけください。
主催東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター
注意事項新型コロナウイルス感染症対策の状況により、会期やイベントの変更、休館等の対応を行う場合があります。公式ホームページでご確認ください。

展示風景